医療系マッチングサイトにおけるチャットボット活用の解説ー運用企業と開発側の視点から

医療系人材のマッチングサイト「放射線技師・検査技師求人ナビ」にIBM Watsonを利用したLINEのチャットボットをどのように活用しているのか、開発までの議論や考察について利用者とは異なる運用企業と開発側の視点で説明します。

放射線技師・検査技師求人ナビについて

放射線技師・検査技師求人ナビ」は株式会社ケイ・ティ・メディカル様(以下、KTM様)が運用する、医療系人材のマッチングサイトです。実はこのマッチングサイトは弊社で開発しており、利用者の個人情報から医療機関の求人情報などすべてのデータがデータベースを利用せずにSalesforce CRMに格納されるかたちで動作しています。

できるだけシンプルなマッチングサイトを目指していて、スマートフォンにも完全対応しています。

放射線技師・検査技師求人ナビ
放射線技師・検査技師求人ナビ

マーケティングツールとしてのチャットボット導入

このマッチングサイトは診療放射線技師や臨床検査技師の求人サイトで、既にいくつもの競合サイトが存在し、KTM様は後発になります。そのために、サイトの差別化やどのように技師の求職者の登録と医療機関の登録を増やしていくかが課題になりました。もちろん、Web広告や医療機関への営業活動はありますが、それ以外にウェブサイトとしての差別化が必要でした。そう、まさにマーケティングツールを探したわけです。

診療放射線技師や臨床検査技師のマッチングサイトは、会員登録してもらうためには個人情報の他にも業務スキルや扱ってきた検査機器の情報、さらには免許の確認が必要となります。利用者に取っては面倒なので、会員登録の行為は求職に対してのニーズやモチベーションが低いとなかなか登録してもらえません。

ペルソナから見えてきた、重要なのは求職者との出会うタイミング

そこで、より多くの登録者を集めるために、まず検討したのが求職者のペルソナです。求職者には色々な状況が合って、今すぐに転職したい方、実家の親が最近老いてきているので、1年くらいのうちに実家にUターンを考えている方、子育てが一段落したのでまずはアルバイトから復職したい方など、置かれた状況で様々でした。そのような、求職者に対して求職のニーズやモチベーションの高いタイミングでマッチングサイトにきてもらえることが非常に重要になります。

とは言っても、個々に異なるタイミングがありそのタイミングにマッチングサイトに来てもらうことはなかなか難しい。このためには通常はGoogleのAdWordsやYahoo!広告などのウェブ広告やメールマガジンなどがツールとして使われています。

細く長くつながりを持ちたい

この求職者のタイミングに合わせて広告を出す方法は、不特定多数に多数の矢を放つ方法なので、当然ですがかなりのコストがかかります。そこで、求職者のニーズやモチベーションが上がったタイミングに合わせるのではなく、ゆっくり待つ方法を取れば、それぞれのタイミングに合わせられると考えました。そのためには、求職者と細く長くつながっている必要があります。

つながるためには何らかの許可を求職者にしてもらわないと行けません。例えば、メールマガジンを送らせてもらうためにメールアドレスを提供してもらう許可をもらうことになります。

B=MATの法則

皆さんは、フォッグ式消費者行動モデルというのをお聴きなったことはあるでしょうか?これは、米国スタンフォード大学のDr. BJ Foggが提唱する理論で、人の行動(Behavior)は3つの要素に起因してB=MATの公式で示されると言うものです。

BはBehaviorで人の行動、MはMotivationでモチベーション、AはAbilityで行動に必要な能力、TはTriggerで行動を起こすきっかけです。この3つの要素が十分でないと、その人はアクションライン(行動ライン)を超えることがありません。

フォグ式消費者行動モデル
フォグ式消費者行動モデル 出展:http://www.behaviormodel.org/

今回は、細く長くつながることを許可してくれるアクションラインを超えてもらわなければなりません。

これを整理して、今回の課題に当てはめてみると:

放射線技師・検査技師求人ナビの会員登録は会員登録する行動には多くの情報の入力や免許の確認などが必要なので、行動に必要な能力も難しいところに位置するので、モチベーションは高くなくては、アクションラインを超えられません。

細く長くつながりたいを実現するには、行動に必要な能力はできるだけ簡単で、モチベーションが低くてもアクションラインを超えることができるレベルに下げなければなりません。

LINEを選んだのは?

放射線技師・検査技師求人ナビのサイトはスマホファーストで作成されており、想定する利用者がスマートフォンで利用することを主に考えています。
そこで、今回はLINEを使うことに決定しました。

その理由は
・友だち登録するだけですぐに使えて、登録が非常に簡単
・100%に近い利用者に普及していて新たにインストールや使い方を教えることが不要
・メールよりも到達性が高く、確実に見てもらえる
・LINE APIを使うことで個人情報を取らずに使える
・SNSとしての拡散力も見込める

まさに、LINEはアクションラインを超えやすいチャネルと考えました。

アプリケーション解説

アプリケーションについては既にプレスリリースにも記載したとおり、現在は非常にシンプルな機能です。より詳しい説明が必要な場合はお問い合わせください。

求人情報お届けサービス
LINE @kyujin のメニューボタンの「求人情報お届けサービス」から職種、雇用形態(アルバイト/常勤)と勤務希望地を設定します。
医療機関が新たな求人を登録し公開すると、翌朝には設定した求人条件にマッチした利用者に宛てて、求人情報登録のメッセージが届きます。

対話形式でのFAQ(よくある質問)
マッチングサイト「放射線技師・検査技師求人ナビ」の利用についての質問は、LINE @kyujin のトークから質問をすると、回答を返します。

今すぐ!求人検索
メニューボタンの「今すぐ!求人検索」を押すと、対話形式で職種、雇用形態(アルバイトや常勤)と勤務希望地の質問に答えることで求人情報の検索をします。

対話ログ解析
利用者とチャットボットの対話ログは分析するために記録されます

AIチャットボット概要図
AIチャットボット概要図
システム構成図
システム構成図
アプリケーション・デモ動画

IBM Watsonを選んだ理由

・自然言語の高い認識率(多様なビックデータで学習し続ける Watson による高度な言語解析機能)
・汎用性が高く様々なチャネル・プラットフォームに導入できる
・高度な会話フローに対応できる開発ツール
・開発ツールが用意されていて、プログラマーでなくてもAIのトレーニングが可能

次のステップ?

この放射線技師・検査技師求人ナビのチャットボットは常に進化させて行きたいと考えています。単にチャットボットの機能ではなく、マッチングサイトの機能と合わせた新たな付加価値創造やサービスを提供していきます。
既にいくつかのアイデアは出ておりますが、完成したらまた次回のブログで説明したいと思います。

あなたもAIstartではじめて見ませんか?

このように、チャットボットは単純に質問に答えるだけのものではありません。あなたのビジネスを広げるアイデアや新しい顧客を獲得するためのツールになります。
ぜひ、AIstartにあなたのやりたいことをご相談ください。